ゾーン別見どころ①
恐竜の誕生と黎明期の恐竜たち。彼らはどこからやってきたのか。
超大陸パンゲア恐竜王国「恐竜王国の誕生」
中生代の後記三畳紀。この頃の陸上はたった一つの大陸だったと考えられています。それが”パンゲア超大陸”です。このゾーンでは、パンゲア超大陸の時代に地上を闊歩した黎明期の恐竜たちをご紹介していきます。
恐竜は中期三畳紀から後期三畳紀にかけて誕生したとされていますが、最古の恐竜がどの種だったかはまだ明確ではありません。現在発見されている最古の恐竜のひとつと考えられているエオラプトルの全身骨格を展示。さらに、ヘルレラサウルス、コエロフィシスをはじめ、前期ジュラ紀に生息していたディロフォサウルスなどを公開します。中でもカーネギー自然史博物館所蔵のコエロフィシスの化石ブロックは日本初公開となります。
ゾーン別見どころ②
壮絶な闘いを再現、アロサウルスVSステゴサウルスの対決展示。
西ローラシア恐竜王国「巨大恐竜王国の繁栄」
時代は後期ジュラ紀。ひとつの大陸だったパンゲア超大陸はこの頃から南北に二分しつつあり、北半球側に分離した大陸はローラシア大陸と呼ばれています。ここでは、ローラシア大陸の西側(現在の北米大陸側)に生息したおよろ1億5000万年前後の恐竜たちを展示します。
圧巻はディプロドクスの全身骨格。全身27メートルにもおよぶ長大な植物食恐竜です。恐竜たちは進化の過程でどんどん巨大化して、ついにはこうした超巨大生物へと進化していきました。
また、後期ジュラ紀といえば誰もが知る肉食恐竜のアロサウルスと、植物食恐竜のステゴサウルスとが生存を賭けて闘う姿を再現した珍しい”対決型”の全身骨格展示をこのゾーンで見ることができます。人気恐竜たちの再現対決にご期待ください。
ゾーン別見どころ③
羽毛を持ったティランノサウルス類”ユティランヌス・フアリ”(中国名・羽王竜)の全身化石を世界初公開!
東ローラシア恐竜王国「熱河恐竜王国」
時代は前期白亜紀。およそ1億3000万年前以降に、ローラシア大陸の東側(アジア大陸側)で生息していた恐竜たちの展示ゾーンです。
中国・遼寧省の西武を中心に広がる地層群である熱河層群は、恐竜のほかにも哺乳類や昆虫、植物など多様な動植物の化石が数多く出土する化石の宝庫。これまでにも数々の貴重な化石が発掘されてきました。この地は羽毛の痕跡が残る恐竜化石が世界で初めて発見された場所でもあります。
ここでの注目展示は、何といっても世界初公開となる”ユティランヌス・フアリ”の全身化石と復元骨格です。本博の監修者である徐星教授によって研究されたユティランヌスは、新種の大型ティランノサウルス類です。2012年4月5日付の英科学誌「ネイチャー」に発表された論文によると、ユティランヌスの化石から長い羽毛を発見したことが明らかになりました。ティランノサウルス類では小型の近縁種に羽毛の痕跡が見つかっていましたが、ユティランヌスの発見によって大型ティランノサウルス類にも羽毛の存在が見られることが確実となり、世界に衝撃が走っています。
ゾーン別見どころ④
日本初公開の恐竜が続々。ティランノサウルス類ズケンティランヌスの対決展示も!
東ローラシア「諸城恐竜王国」
時代はさらに流れ、後期白亜紀。本博の目玉と言える中国・山東省諸城市の約7,350万年前の地層から見つかった世界最大の恐竜化石群から、日本初公開の恐竜たちが多数展示される、本博最大の注目ゾーンです。
貴重な全身骨格のうちの一つ、ティランノサウルス類のズケンティランヌスは、北米のT・レックスの迫る大型ティランノサウルス類です。全長11メートルを超える巨体を、こちらも初公開となる植物食恐竜・ズケンゴサウルスと共に”対決型”で展示いたします。
さらに、既知のいかなる鳥盤類恐竜も及ばない、世界最大となる全長19メートルの鳥盤類恐竜・ファシアオサウルスや、アジアで初めて発見された大型の角竜類シノケラトプス、ズケンケラトプスも初公開。高度に進化した角竜類はセントロサウルス類とカスモサウルス類の二つのグループに大別されますが、シノケラトプスは両方の特徴を持ち、さらに眼の周囲の骨には原始的な角竜類のプロトケラトプスの仲間とも似た点が見られます。このことから、シノケラトプスは角竜類の進化史の空白を埋めるミッシング・リンクではないかと、世界の古生物学者の注目を集めています。
ゾーン別見どころ⑤
ティランノサウルス8体が勢揃い。展示以外にも見て、触って、感じる体感ゾーン。
「ティランノサウルス王立研究所」
最古のティランノサウルス類・グアンロンをはじめ、羽毛で有名なディロン、日本初公開のアリオラムスに加えて、まだ研究途中の貴重な新種を含むティランノサウルス類の全身骨格8体がこのゾーンに集結。さらに、人気のトリケラトプス、ズニケラトプスなどの全身骨格も展示します。
また、ここでは展示のほかに見て、触って、感じることのできる体験装置も設置。ティランノサウルスを全身で体感していただきます。
ゾーン別見どころ⑥
恐竜化石の発掘体験。鳥と間違われた獣脚類・アルヴァレズサウルスの展示も。
ゴンドワナ恐竜王国「偉大なる恐竜王国の発掘」
パンゲア超大陸が南北に分裂し、南半球側に移動した大陸がゴンドワナ大陸です。このゾーンでは後期白亜紀のゴンドワナ大陸に生息していた恐竜化石の展示と、ゴンドワナ大陸周辺にい生息したアンモナイト類の本物化石の発掘体験コーナーを設置します。
展示されるのは、アルヴァレズサウルスの全身骨格に加えて、中国で発見され、現在研究中で日本初公開となる新種のアルヴァレズサウルス類の化石を展示。アルヴァレズサウルス類は小型のダチョウのような骨格を持ち、発見初期には地上性の鳥類に分類されたこともある獣脚類恐竜です。鳥と同じように羽毛を持ち、恐竜にはんはく進化した鳥類に存在する竜骨突起があります。竜骨突起とは、翼で羽ばたくための強力な筋肉を留める役割を持った骨で、たとえ鳥類であっても、ダチョウなど飛べない種類では退化していることがあります。アルヴァレズサウルス類は、こおうした点でも極めて鳥に類似した奇妙な恐竜です。
ゾーン別見どころ⑦
なぜ恐竜は姿を消し、他の生物が生き残ったか。恐竜絶滅の謎に迫る。
エピローグ「恐竜から鳥類へ」
中生代に終わりを告げ、新生代へと続く最終ゾーン。恐竜たちのほとんどは約6550万年前に何らかの理由で絶滅したと考えられていますが、その理由とはなんだったのでしょうか。諸城で起きた恐竜大量死の事実を分析、その謎に迫ります。
このゾーンで展示される全身骨格はディアトリマです。肉食恐竜に似た、地上を素早く走る肉食の巨大鳥類でした。この仲間は絶滅を逃れ、新生代になってから恐竜たちの穴を埋めるかのように進化繁栄した種族です。進化過程で恐竜たちと同じように巨大化していき、一時は食物連鎖の頂点に立ったものの、やがて肉食哺乳類の進化に伴ってその座を奪われていきました。
また、このゾーンの最後にはディノアートギャリーとして、さまざまな恐竜絵画やイラストを展示します。