モンゴル、南ゴビ県の白亜紀後期(約9500万年—8350万年前)バインシレ層から2002年に発見された頭骨部分に基づき、パキケファロサウルス科の新属新種として記載されました。
Amtocephale gobiensis
属名は、産出地Amtgai+ギリシャ語で頭を意味する“cephalo”
種小名は、ゴビ産であることから。
推定体長1.2m、若い個体とされています。
以下、林原プレスリリースによります。
【今回の発見の重要事項のまとめ】
1) 発見されたのは、頭骨の一部で、頭骨の最上部にあたる癒合した前頭骨および頭頂骨である。
2) 推定体長は、1.2m。若い個体と考えられる。過去に見つかっているパキケファロサウルス類の種について推定されている体長の中で最小。
3) 新種の理由:上側頭窩(じょうそくとうか)が深い、前頭骨の鼻骨との関節面が広い、前前頭骨と上眼窩骨(じょうがんかこつ)の前部に関節する前頭骨の関節面がほぼ直線、頭頂骨が短い、頭頂骨は後方内方への伸張部は鋭く下方へ延び、前頭頭頂骨(ぜんとうとうちょうこつ)の幅に比較してかなり幅広い、上側頭窓(じょうそくとうそう)を欠く。
4) この化石の産地アムトガイの化石産出層の地質時代は、9500万年から8350万年前とされており、パキケファロサウルス科の最古の標本と考えられる。既に発見されている同じ科の標本と比較して約1000万年も古い。
5) パキケファロサウルス科の最古の化石ではあるが、系統解析の結果からはより進化したグループに属しており、これにより、今まで言われてきた系統の分岐点がさらに古くなると推測できる。
MAHITO WATABE, KHISHIGJAW TSOGTBAATAR AND ROBERT M. SULLIVAN(2011)
A NEW PACHYCEPHALOSAURID FROM THE BAYNSHIRE FORMATION
(CENOMANIAN-LATE SANTONIAN), GOBI DESERT, MONGOLIA
New Mexico Museum of Natural History and Science, Bulletin 53. pp.489-497