テノントサウルスは、デイノニクスに集団で襲われている姿ばかり記憶に残っています。しかし、標本数は以外に多く、少なくとも30の完全・部分的な骨格が博物館に収蔵されているそうです。この論文ではその標本の長骨の組織を研究し、テノントサウルスの成長パターンを明らかにしています。
Tenontosaurus tilletti は前期白亜紀、約1億1千万年前(Aptian-Albian)、米国西部のCloverly層および Antlers層から産出しています。モンタナ州中部からオクラホマ州南部にかけて産出した、様々な成長段階の数多くの標本が多くの博物館に収蔵されています。
この標本の長骨の骨組織学の変化を研究した結果、Tenontosaurus tilletti は成長の早い段階で急速に成長することがわかりました。急速な成長は亜成体段階まで続きます。しかし、他のイグアノドン類と異なり、最大サイズの個体に至るまで、低いレートの成長が続くことが、わかりました。この成長パターンは近縁のRhabdodon および Zalmoxes でも同様とのことです。
しかし、この成長スピードは、もっと派生したハドロサウルス類で観察されたスピードよりはるかに遅いことも明らかになりました。成長スピードの違いは、両者の体サイズの違いとなって表れているとのことです。
Werning S (2012)
The Ontogenetic Osteohistology of Tenontosaurus tilletti.
PLoS ONE 7(3): e33539. doi:10.1371/journal.pone.0033539 論文
MorphoBank Project 494 Sarah. 2012. The ontogenetic osteohistology of Tenontosaurus tilletti.