トロオドン科新属新種恐竜Philovenator curriei

1988年のカナダ・中国恐竜共同発掘調査で発掘され、Sauronithoides mongoliensis 幼体とされた後肢標本が再記載され、トロオドン科新属新種、Philovenator curriei として記載されました。

属名および種小名は、カナダのフィリップ・カリーに献名されたものです。 また"Phil"はギリシャ語の("philein"=to love)ともかけてあり、ラテン語の”venator”とあわせ、狩猟を愛するものという意味も持たせています。

産出地は、中国内蒙古自治区、Wulatehouqi(烏拉特后旗)、Bayan mandahu(巴音満都呼)、wulansuhai層(上部白亜系、カンパニアン)

標本番号　IVPP V 10597

当初、Sauronithoides mongoliensis とされた標本は、その後の研究の進展の中で、Linhevenator tani により特徴が共通するとされましたが、今回独自の特徴を有するとして記載されたものです。また骨断面の調査も行われ、幼体標本であることが確認されました。 トロオドン科の中の系統では Linhevenator tani に近縁とされています。

XU Xing(徐星), ZHAO Qi, Corwin Sullivan, TAN Qing-wei, Martin SANDER & MA
Qing-yu (2012)
THE TAXONOMY OF THE TROODONTID IVPP V 10597 RECONSIDERED.
Vertebrata PalAsiatica 50(2):140-150　論文