3月17日は会場がかわり、丹波市のやまなみホールほかになります。列車の都合で開場より早く着いたのですが・・・ちーたんの館では研究者が展示標本を熱心に見ているところでした。
サイエンスカフェは、徳川広和、小田隆両氏による丹波竜の復元、それに昨日のシンポジウムで発表した各研究者がコメントという構成です。
徳川さん、ぶれていて写真ではよくわかりませんが、左手に恐竜のマペットをはめています。この恐竜が何か、子供にあてさせるところから導入です。さすが、つかみがうまいですね。
ディプロドクスだそうですが、最新の学説にもとづいた、非常に正確な復元と強調していました。このあと、ちーたんの館に展示してあった、丹波竜2013年版復元の過程を説明していきました。
自分の作品の紹介から始まりました。中にはウプサラ大学の博物館に展示されているものもあります。
製作に必要な資料については、国内外の専門書はもとより、数々の論文にもあたることが紹介されました。さらにどういうものを参考にしているか、研究者に伝えることにより、研究者側からみて、徳川さんが何を知らないかをわかってもらうことが大切だということです。
このあと、丹波竜2013年版復元の製作過程が紹介されました。三枝先生とは頻繁なメールのやりとりや、実際に立ち会っての修正など、綿密な監修を受けていることが紹介されました。
次に、小田 隆氏から、丹波竜復元の講演がありました。「骨の話ですから固い話です」というわけで、一つ一つの骨のパーツを描くことから、その組み合わせ、さらに全身骨格図そして生体復元へと進む過程が発表されました。
こうして聞くと、復元って本当に大変な仕事なんだと驚きます。やはり三枝先生とのメールのやりとりは50通にもなるそうです。小田氏は三枝先生の指摘が書き込まれた図版も見せてくれましたが、大変なものです。
胴椎と肋骨の図版でしたか、かなり描きあがったものが没になったものもあります。その原画は、ちーたんの館に展示してありました。こういうものまで展示するのは珍しいことです。復元画の制作過程を理解してもらうためには、効果のあるものと思いました。
左の図版は各骨の長さが大腿骨との比率であらわされています。
それで、この復元画の製作は、日本の復元画製作でもエポックメーキングなことだと思いました。とにかくこれだけ厳密な監修をうけて製作されたものは、これまでなかったのではないでしょうか。また、今後はこの水準以上の仕事をしていかないと、復元画とはいえなくなってっくる、これまで、それらしく描いていたに過ぎない方は、非常に苦しい立場に置かれることになるだろうと思いました。
しかし、小田氏によると、この復元画でさえ、最新とは言えなくなっているそうで、歯の並び方に最新の情報が反映されていないそうです。博物館の骨格もそうですが、その時点で最新であったものも、どんどん改める必要がでてくる。それが古生物の面白さともいえるのではないでしょうか。
会場をちーたんの館に移し、研究者から展示標本について解説してもらいました。