尾の短縮は鳥類の多様化を促進した

1億4500万年から6600万年前までの世界中の鳥類の各パーツの詳細な測定から、かれらの長い尾が短かくなってから、脚(後肢)の広範囲な多様化が起こったことが明らかになりました。

An image of fossil birds from the time of dinosaurs [left image: Eoenatiornis, right image: Hongshanornis] showing they had diverse types of leg [credit: Roger Close]
An image of fossil birds from the time of dinosaurs [left image: Eoenatiornis, right image: Hongshanornis] showing they had diverse types of leg [credit: Roger Close]

オックスフォード大学の Roger Benson らの研究によるものです。彼らの詳細な計測により、鳥類は(はばたく)動力飛行を獲得した後、尾の短縮が起こった後に、現在の鳥類の成功をもたらす脚(後肢)の各パーツの多様化が促進されたとのことです。これを同時代の恐竜の脚と比べると、進化のスピードは著しいものです。動力飛行は多様化をもたらさなかったのですが、尾の短縮はもたらしたなんて、面白いですね。

オックスフォード大ニュース Witwatersrand大ニュース

アブストラクトほにゃ訳

鳥類は最も多様な現生四肢動物のグループであり、大規模な適応放散のモデルである。現生生物学的研究から、クラウングループ鳥類内の放散は、飛行の起源後だったことが示唆される。しかし、限られた化石データしか考慮されていないので、鳥類進化の深い時間パターンは曖昧なままである。私たちは、中生代獣脚類の系統樹全体について分岐進化と脚の進化を分析し、恐竜から鳥類への移行および動力飛行の直接の起源を文書化する。中生代鳥類は、飛行をしない祖先から前肢進化の制約を継承し、最初期の飛行する分類群では多様化率は加速されなかった。しかし、白亜紀前期の尾の短い鳥類では、後肢の表現型の放散および増大する多様化率双方とも、獣脚類の進化の初めから1億5500万年間のどの時点に対しても比類のない大きさである。したがって、ステムグループ鳥類の白亜紀の適応放散は、地上運動モジュールの再編により可能となり、それは革新の鍵をもたらした。私たちの研究結果から、原鳥類において放散に2つのフェーズがあることが示唆される:白亜紀―古第三紀境界におけるステムグループ鳥類の絶滅により上書きされる、白亜紀の多様化、そして、その後のクラウングループ鳥類の多様化である。私たちの知見は、現在の生物多様性を生成する大進化プロセスを理解するための化石データの重要性を説明する。

Roger B. J. Benson and Jonah N. Choiniere.(2013)

Rates of dinosaur limb evolution provide evidence for exceptional radiation in Mesozoic birds

Proceedings of the Royal Society B.October 2013 vol. 280 no. 1768

doi: 10.1098/rspb.2013.1780

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