2013年8月10日(土)、東京市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷で、恐竜倶楽部創立25周年記念事業が開催されました。
中川事務局長のあいさつに続き、記念講演です。
徳川広和氏は「世界の前眼窩窓から~模型が紡ぐ恐竜人の縁~」という題でお話しをされました。ご存じとは思いますが、徳川さんは恐竜・古生物復元模型作家として内外に活躍されています。恐竜倶楽部に入会されたのは15歳の時だったといいますから、筋金入りの会員ですね。
氏のホームページを見たウプサラ大学から復元模型を依頼された話、当時デンバー自然史博物館に在籍していたケネス・カーペンターから、いきなり作品のお褒めのメールをいただいた事、やSVP総会で哺乳類型爬虫類の模型を展示したら研究者の中でとても盛り上がった事、知り合った研究者やキュレーターのお宅を訪問したこと、台湾の造形作家との交流、ドイツの博物館紀行など、盛りだくさんの楽しい講演でした。
ヒサクニヒコ氏は、「昭和恐竜物語」という題で講演されました。他の方がパワーポイントを使ったのに比べ、ヒサ氏は漫画家ですから、ホワイトボードにサラサラと絵を描いて話を進められました。インターネットもない、資料など何もなく、少年雑誌の編集者が自ら(勝手に)恐竜のヒミツ的なものを作成していた頃から説きおこし、そのような状況に義憤をもっていた氏が、ひょんなことから朝日小学生新聞に恐竜の連載を始めたこと(当時、恐竜の交尾まで扱ったそうです)。そしてその後の活躍につながっていったことなどです。私自身はヒサ氏より年代は下がりますが、昭和の物語に一々うなずけることがありました。
そのほか、まだ言いたいこともあったようですが、エピソードの当事者がまだご存命なことも多々あり、それはまたの機会にということになりました。
長谷川善和氏は、当日まで内緒にしていた演題で講演されました。「世界をめざす山東諸城恐竜公園」という題ですが、実際のところ、中国恐竜研究史の黎明期から現在にいたる壮大なレビューでした。所蔵する資料から映されるパワーポイントは、中国人以前にスウェーデンなど諸外国が探検した頃のものから始まり、楊鐘健(C.C.ヤング)、その弟子の董枝明、さらに徐星へと話は進みます。中華竜鳥(シノサウロプテリクス)が論文記載前に、日本でも売りに出されていた(600万円とか言っていたような…)話も出ました。
後半では、諸城の恐竜公園や博物館の現地写真を交え、興味深い説明が続きました。
後半の祝賀会は、若宮会長の祝辞から始まりました。前回の20周年の次は30周年を考えていたが、30周年では自分は(年を取って)出られなくなるかもしれないので25周年にしたと、ユーモアを交えながら趣旨を説明しました。また、恐竜倶楽部会員の女子、旧姓Mさんが結婚されたことにもふれ、会場から祝福の拍手がわきました。この結婚式は、なんと国立科学博物館で披露宴開催という、恐竜ずくめの素晴らしいものです!披露宴の様子は、こちらからユーチューブで見ることができます。
祝賀会の記念演奏は、田村博さん、本田俊之さん、それに最近会員になった木村秀子さんのトリオによるジャズセッション。1933年のシカゴ万博の折に作曲された恐竜の楽譜を田村さんがオークションで競り落とした曲、木村秀子さん作曲の"イグアノドン"という曲、これは数年前に福井でイグアノドン類が発見された時に作曲したものだそうです。福井県立恐竜博物館はこのこと知っているのかな?そしてトリは、映画”The Lost World"の画面にあわせ、サックスがT-REXを、ピアノやキーボードがトリケラトプスなどの恐竜の役を奏でるというパフォーマンスを見せてくれました。福井県立恐竜博物館開館の時にしたものの再現ということです。
本当に素晴らしい演奏でしたが、残念ながらここでは紹介できません。"イグアノドン"は木村秀子さんが別の折に演奏した動画がユーチューブにありますので、興味のある方はご覧ください。ちなみに、講演会の演者も演奏者も皆、恐竜倶楽部会員です。8歳から80歳以上まで、いろいろな人が会員にはいるのです。
私が見ても顔と名前がわかる会員は半数程度だったほど、たくさんの会員が集まって、とても盛況でした。5年後にはどうなっているでしょうか、楽しみです。
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