中国、ジュラ系Tiaojishan(髫髻山)層(1億6千万年前)から産出した、ほとんど完全な骨格をもつ標本が、最初期の最基盤的な多丘歯類として記載されました。
多丘歯類はジュラ紀に出現し、恐竜の絶滅後も繁栄して、漸新世に絶滅しました。約1億年の間繁栄を保っていました。今日のげっ歯類よりも広範囲なニッチを獲得していた哺乳類です。その最も初期の標本が記載されました。
Rugosodon eurasiaticus
多丘歯類、パウルコファティア科の新属新種として記載されています。
属名はしわのよった歯。多丘歯類(多咬頭類)の名のもとになる臼歯の特徴から。
種小名は、この標本がヨーロッパやアジアで見つかった、より年代が新しい標本に似ていると、この研究チームが結論したことから。
体長は約17㎝。ドブネズミ程度の大きさです。食性は植物もクモやミミズなども食べる雑食性で、多歯類は雑食起源だったとしています。また、可動性の高い足首の関節から、かれらは地上を走行することも、穴を掘ることも樹木にのぼることもできたとしています。
これらの特徴が、後の繁栄の元となったとしています。
サイエンスニュース シカゴ大ニュース ナショナルジオグラフィック(日)
Chong-Xi Yuan, Qiang Ji, Qing-Jin Meng, Alan R. Tabrum, Zhe-Xi Luo.(2013)
Earliest Evolution of Multituberculate Mammals Revealed by a New Jurassic Fossil
Science Vol. 341 no. 6147 pp. 779-783
DOI: 10.1126/science.1237970 アブストラクト