多丘歯類の初期進化を解明するジュラ紀の化石

中国、ジュラ系Tiaojishan(髫髻山)層(1億6千万年前)から産出した、ほとんど完全な骨格をもつ標本が、最初期の最基盤的な多丘歯類として記載されました。

(A) Reconstruction of Rugosodon as a terrestrial omnivore. (B and C) The holotype [Beijing Museum of Natural History (BMNH) 1142B (counterpart); BMNH1142A (main part) in fig. S1 in (11)]. (D) Right manus (composite from BMNH1142A and B). Left versus right
(A) Reconstruction of Rugosodon as a terrestrial omnivore. (B and C) The holotype [Beijing Museum of Natural History (BMNH) 1142B (counterpart); BMNH1142A (main part) in fig. S1 in (11)]. (D) Right manus (composite from BMNH1142A and B). Left versus right

多丘歯類はジュラ紀に出現し、恐竜の絶滅後も繁栄して、漸新世に絶滅しました。約1億年の間繁栄を保っていました。今日のげっ歯類よりも広範囲なニッチを獲得していた哺乳類です。その最も初期の標本が記載されました。

Rugosodon eurasiaticus

多丘歯類、パウルコファティア科の新属新種として記載されています。

属名はしわのよった歯。多丘歯類(多咬頭類)の名のもとになる臼歯の特徴から。

種小名は、この標本がヨーロッパやアジアで見つかった、より年代が新しい標本に似ていると、この研究チームが結論したことから。

体長は約17㎝。ドブネズミ程度の大きさです。食性は植物もクモやミミズなども食べる雑食性で、多歯類は雑食起源だったとしています。また、可動性の高い足首の関節から、かれらは地上を走行することも、穴を掘ることも樹木にのぼることもできたとしています。

これらの特徴が、後の繁栄の元となったとしています。

サイエンスニュース シカゴ大ニュース ナショナルジオグラフィック(日)

Chong-Xi Yuan, Qiang Ji, Qing-Jin Meng, Alan R. Tabrum, Zhe-Xi Luo.(2013)

Earliest Evolution of Multituberculate Mammals Revealed by a New Jurassic Fossil

Science Vol. 341 no. 6147 pp. 779-783

DOI: 10.1126/science.1237970 アブストラクト

 

 

 

 

 


 

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