江西省贛州(Ganzhou)市の上部白亜系Nanxiong(南雄)層から産出したオヴィラプトル科恐竜が
記載されています。
Jiangxisaurus ganzhouensis オヴィラプトル科の新属新種
属名:Jianxiは産地江西(Jianxi)省+saurus
種小名:完模式標本の産地、Ganzhou(贛州)から
産地と層準:中国江西省贛州市竜嶺(Longing)鎮 上部白亜系Nanxiong(南雄)層
完模式標本:HGM41HIII0421 不完全な骨格(頭蓋部分、下顎、頸椎8個、胸胴椎3個、尾椎9個、血道弓2個、ほとんど完全な肩帯、左前肢、両胸板、胸肋骨4、胴肋骨9ほか)
頭骨長約150㎜の中位サイズの恐竜。骨の癒合状態から、幼体もしくは若年個体とみられています。
主な特徴:下顎吻部はゆるやかに下方に向いている、高さ:長さの比が約20%になる、非常に伸びた下顎骨、橈骨:上腕骨長比は約0.70。
この恐竜は、贛州盆地で初めて発見された、頭蓋より後方の比較的良好な骨格をもつオヴィラプトル上科恐竜であり、中国南部のオヴィラプトロサウルス類の形態学に、さらに情報をもたらすとともに、後期白亜紀のオヴィラプトロサウルス類の分散に新証拠を加えるものとしています。
完模式標本には後肢が保存されてなく、腰帯も部分的なので、さらなる研究には新標本の発見が望まれます。
WEI Xuefang, PU Hanyong, XU Li, LIU Di, Lu Junchang.(2013)
A New Oviraptorid Dinosaur (Theropoda: Oviraptorosauria) from the Late Cretaceous
of Jiangxi Province, Southern China
Acta Geologica Sinica(地質学報英文版),87(4):899-904
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