米、ユタ州の白亜紀後期、約9800万年前の地層から産出した、アロサウルス上科、ネオヴェナトル科恐竜 Siats meekerorum が記載されています。この時代の頂点捕食者だったということです。
Siats meekerorum 新属新種
(獣脚類・アロサウルス上科・メガラプトラ類・ネオヴェナトル科)
属名:'Siats'ユタ州の先住民ユト族の伝説にある、人を食らう怪物
種小名:Field 博物館の初期の専門的古生物学者達を寄付により支えたCaldwell Meeker 家に献名。
産地と層準:ユタ州Emery郡。上部白亜系(セノマニアン)Cedar Mountain 層 Mussentuchit 部層
推定体長は9m以上、推定体重4t、しかも標本は幼体のものということです。
ネオヴェナトル科恐竜はこれまでヨーロッパ、南米、中国そして日本で発見されていますが、北米では初の発見ということです。
北米の頂点捕食者は、ジュラ紀には多様な基盤的な獣脚類、白亜紀’中期’から後期にかけてカルカロドントサウリア類になるアロサウルス上科恐竜。しかもその時には小型のティラノサウルス上科恐竜が同じく生息していたということです。捕食者の中で下っ端だったのでしょう。アロサウルス上科恐竜が絶滅したあとに、ティラノサウルス類の天下がやってきたということになります。右下の図で色分けされているのが、青が多様な基盤的な獣脚類、黄がカルカロドントサウリア類の天下、赤紫がティラノサウルス科の天下となります。
アブストラクトほにゃ訳
アロサウルス上科獣脚類は、ジュラ紀ー白亜紀の大型捕食者として多様かつ広範に放散している。獣脚類恐竜の中で最大となるサイズのいくつかを達成し、これらの巨大ハンターは、動物相の転換が白亜紀末の2000万年間に頂点捕食者ギルドの占有者を再定義するまで、陸上生態系を支配した。ここに私たちはアロサウルス上科の巨大な新種を記載する– Siats meekerorum gen.
et sp. nov. –これは北米における国際的なクレード、ネオヴェナトル科の初の証拠を提供する。Siats
はこの大陸で発見されたん最も年代の新しいアロサウルス上科であり、このクレードが白亜紀後期まで耐え残ったことを示すものである。この発見は、大型のアロサウルス上科恐竜と小型のティラノサウルス上科恐竜が生態的に同所に生息していたことを示す新証拠をもたらすものである。これらのデータは、北米陸上生態系におけるアロサウルス上科の絶滅は、白亜紀末の食物網を支配するようになったティラノサウルス上科の生態的解放を許すようになったという仮説を支持するものである。
Lindsay E. Zanno & Peter J. Makovicky (2013)
Neovenatorid theropods are apex predators in the Late Cretaceous of North America
Nature Communications 4, Article number: 2827
doi:10.1038/ncomms3827 アブストラクト
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ひなだあおい (木曜日, 26 8月 2021 17:08)
かっこいいなまえでからだもおおきくて、は、もいたそうです。
パンテオン (木曜日, 26 8月 2021 22:16)
恐竜の名前はいろいろな理由でつけられます。この恐竜のように、先住民の神話に出てくる動物は怪物からつけられるもの。神話の神さまや仏さまの名前、産地の地名、お世話になった方、歴史上の偉人、有名な物語の登場人物などいろいろです。これを調べてみるものおもしろいですよ。