Torosaurus は Triceratops がさらに成長したもの。ジャック・ホーナーが唱える説は、日本でも福井県立恐竜博物館の特別展などを通じ、一般にも知られたものになっています。しかし、それらの頭骨を幾何学的形態測定学の手法で調べ、この結論に反論する研究が出ています。
アブストラクトほにゃ訳
バックグラウンド
個体発生時のフリルの形態学的変化について最近の評価から、マーストリヒチアン後期の角竜、 Torosaurus は、Triceratops の老成体を表しているという仮説が提唱されたが、この知見の受け入れは、いくつかの証拠と争ってきた。
方法論/主な調査結果
Nedoceratops hatcheri、Triceratops属およびTorosaurus属の28頭骨の外側面および36の鱗状骨の頭蓋形態を、ランドマークベースの幾何学的形態測定学の手法で、私たちはこれらの分類群から個体発生の軌跡を比較調査した。主成分分析やクラスター分析は、異なった頭蓋形態を確認した。Torosaurus の形状空間は、十分 Triceratops と分離していたのに対し、Triceratops horridus と Triceratops prorsus は、Triceratops の形状空間内に部分的にオーバーラップしていた。形状とサイズの間の線形回帰は、これら分類群間に異なった個体発生の軌跡があることを示唆する。この結果は、Torosaurus の"伝統的な”分類学的地位を支持する。私たちは、個体発生は Torosaurus と Triceratops で異なったパターンで頭蓋形態を制御することを仮定する。
結論/意義
Torosaurus は、異なった、有効な分類群である。頭蓋全体、フリルのない頭蓋あるいはフリルのみを見ているかどうかにかかわらず、Torosaurus は Triceratops と比べ異なった形態と相対成長の軌跡をしている。この新しいアプローチは、Torosaurus の分類学的地位だけでなく、北米マーストリヒチアン末期のケラトプス科の比較的低い多様性を確認する。
Maiorino L, Farke AA, Kotsakis T, Piras P (2013) Is Torosaurus Triceratops? Geometric Morphometric Evidence of Late Maastrichtian Ceratopsid Dinosaurs . PLoS ONE 8(11): e81608. doi:10.1371/journal.pone.0081608 論文
参考:
John R Horner and Mark B Goodwin.(2006)
Major cranial changes during Triceratops ontogeny
Proc. R. Soc. B 7 November 2006 vol.273 no.1602 2757-2761 論文
Longrich NR, Field DJ (2012)
Torosaurus Is Not Triceratops: Ontogeny in Chasmosaurine Ceratopsids as a Case Study in Dinosaur Taxonomy.
PLoS ONE 7(2): e32623. doi:10.1371/journal.pone.0032623 論文
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