2019年7月13日(土)から、国立科学博物館で開催される、「恐竜博2019」内覧会に行ってみました。そこで目にしたものを、いくつか紹介してみます。
なお、詳細情報は、公式サイトをご覧ください。
1969年、ジョン・オストロムがデイノニクスを記載し、恐竜温血説を提唱してから50年。今では羽毛をはやした俊敏な生物だったことが、一般にも知られています。
その始まりとなったデイノニクスのホロタイプ標本!日本で見られるのはこれが最初で最後かもしれません。順路の最初にある、超貴重な標本です。
デイノニクス中心に見ることができる展示
ここでは、主に中国から鳥類に近い系統の恐竜化石が研究史順に展示されています。1996年に初の羽毛恐竜として世界に衝撃を与えたシノサウロプテリクス、4翼恐竜として騒がれ、飛行の起源についても一石を投じたミクロラプトル・グイ、羽毛の色が解明されたアンキオルニスなど、それぞれ研究史に輝かしく残る標本です。
最後尾を飾るのは、2015年に記載されたチレサウルス。ここでバロンらが提唱する新しい恐竜系統仮説について説明されています。
ここで見られる主な展示
1965年にポーランドとモンゴルの共同調査で発見され、1970年に記載された「恐ろしい手」。
長い間、前肢しか見つからず、そのためどんな恐竜なのか、いろいろな推定がされてきました。
2009年に韓国隊が発見し、さらに頭骨は数奇な流れを経て一体となり、この骨格が出来上がっています。
私もウランバートルの自然史博物館で前肢だけの展示を見たときには驚きとともに体骨格は想像もつきませんでした。実際にこれを見ると、とにかく大きい!タルボサウルスと十分にわたりあえる。とにかく必見です。
デイノケイルス中心に見ることができる展示
後半の会場との間の通路には、岡山理科大学から出展された、巨大恐竜足跡化石やその実測図が展示されています。残念ながらこれは撮影禁止になっています。
会場後半では、むかわ竜とその生きていた世界に生息していた恐竜・海生爬虫類を紹介しています。
むかわ竜については、この数年NHKの特集番組で紹介されてきたので、よく知られていると思います。実に全身骨格の80%がみつかった、世界的に見ても非常に保存のよいハドロサウルス科恐竜です。記載論文が認められ、正式な学名がつくのが待たれます。そしてその周辺の海に生息していたクビナガリュウ(ホベツアラキリュウ)やモササウルス(フォスフォロサウルス)。これら3標本はどれも素晴らしいものです。
むかわ竜の世界で見ることができる主な展示
ここでは、6600万年前、白亜紀末の世界からK-Pg境界を越えた生物が紹介されています。写真は世界最大のタイトルを勝ち取った、”スコッティ”の骨格ですが、この恐竜博では脇役のようです。
地味な展示ですが、境界の上下でどのような生物が生き残ったか、魚類、ワニ、カメ、哺乳類、植物など多種展示されています。通路も狭まり、試練の境界を観覧する人も感じとれるようになっています。
日本列島最南端の恐竜化石産地となっている、甑島列島から産出した恐竜化石も展示されています。
ここで見られる主な展示
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