アルゼンチン、サンタクルス州、白亜紀後期の地層産出標本により、獣類新種記載 Patagomaia chainko
属名:パタゴニア+(ギ)母
種小名:テウェルチェ語でchaink 大きい+ko 骨 体重は約14 kgと推定され、これは同時代の北半球の獣類の最大体重5 kgを大きく上回る
以下、AIによる要旨翻訳
獣類(獣亜綱)は、有胎盤類と有袋類の哺乳類を含む現生の分類群である。ここでは、南パタゴニアから発見された白亜紀後期の新しい哺乳類、Patagomaia chainko gen. et sp. nov.について報告する。この動物は、後肢と骨盤の要素から明確な獣歯類の特徴を示している。Patagomaia chainkoの体重は約14 kgと推定され、これは同時代の北半球の獣歯類の最大体重5 kgを大きく上回る。この新発見は、南半球の獣歯類の哺乳類が白亜紀後期に大型化を達成し、その北半球の近縁種が新生代の始まりまで小型のままであったことを示している。Patagomaiaは、南半球が現代的な哺乳類の分類群の進化の発祥地であったという見方を支持し、絶滅した非獣類のグループ(meridiolestidans、gondwanatherians、monotremesなど)と並んで多様化していたことを示している。
論文オープン
Nicolás R. Chimento, N.R., et al. 2024
A large therian mammal from the Late Cretaceous of South America
AIによる論文要約
この論文は、南米の白亜紀後期に生息していた大型の獣類(Patagomaia chainko)について報告したものです。以下は、各章の要約です。
序論
獣類は中生代には小型で昆虫食の動物と考えられてきましたが、最近の発見により、水中生活や掘削や滑空などの多様な生態や、犬ほどの大きさに達するものもいたことがわかってきました。これまでのところ、北半球の白亜紀後期の獣類は小型で、南半球の獣類は大型で多様なグループに分かれていたことが示唆されています。本研究では、南米の白亜紀後期の地層から発見された新種の大型獣類(Patagomaia chainko)について記載し、その系統的位置や体重推定、骨組織学的分析を行いました。Patagomaiaは獣類の中でも有胎盤類と有袋類に属する獣類(獣亜綱)の一員であり、南半球での獣類の初期の進化を示す重要な証拠です。
記載
Patagomaiaは、骨盤や大腿骨、脛骨などの後肢の一部が発見されています。骨盤は骨盤帯の各骨が強く癒合しており、臼蓋は深くて球状で、上部に切れ込みがありません。大腿骨は頭部が骨幹から離れており、頸部が狭くて内側に傾いています。小転子は小さくて後方にずれており、下転子はほぼ対称で、間転子隆起が太くて斜めに走っています。脛骨は上転子が対称で、後面に深い溝があります。これらの特徴は、獣類の特徴と一致しており、非獣類の獣形類とは異なります。また、Patagomaiaは、南米の白亜紀や古第三紀の獣類とも区別できる特徴を持っています。
議論
Patagomaiaの系統的位置を調べるために、3つの異なる獣形類のデータマトリクスにスコアを入力して分析しました。その結果、Patagomaiaはいずれの分析でも獣類に属することが示されました。Patagomaiaの体重は、後肢の骨の測定値から推定すると、平均で約14kgとなりました。これは、これまで知られている中生代の獣形類の中で最大級のものであり、南半球の獣形類が北半球のものよりも早く大型化したことを示しています。Patagomaiaは、南米の白亜紀の獣形類の多様性と、南半球での獣類の初期の進化の重要性を示す発見です。