タルボサウルス実物化石です。
頭だけで1.2m、全長約10mになる、巨大肉食恐竜です。
当時のアジア大陸の覇者でした。
ティラノサウルスが羽毛を生やしていたのなら、当然、タルボサウルスも生やしていたでしょう。白亜紀のモンゴルも現在と同様に内陸だったなら、暑さも寒さも厳しかったでしょう。羽毛は断熱に役立ったでしょうか、それとも…?
これは、タルボサウルスの2~3歳と推定される標本で、全身の70%が残っていた、ティラノサウルス類全体の中でも最も良い保存状態の子どもの化石です。おとなのタルボサウルスとの比較にもとづき、その成長を科学します。
覇者であっても、子どもは子ども。一般に幼体の特徴として、吻部が短い、眼窩が大きいなどがあります。タルボサウルスも例外ではありません。骨だけでも、かわいさが見えてきませんか?
発掘時には、こんな姿でした。私は、モンゴルの古生物学センターでクリーニング中のこれを見たような覚えがあるのですが、昔のことなのではっきりしません。今度が良い機会です。
会場には、復元骨格も展示されます。
サウロロフスです。十数年前、ウランバートルの博物館で私が見た時は古典的な直立姿勢で展示してありましたが、もちろん会場では、こんな姿勢です。この自然な関節のしかたにも注目していただきたいです。
この復元図を見ても、例えば15年前の復元図と、どう違うか…そんなところをチェックするのが恐竜ファンです。古い恐竜図鑑などと見比べてみてください。
これは有名な標本ですよ!
この化石標本から何がわかるでしょう?
赤ちゃん15体が集団で生きていた・・・ここからわかることは?
頭の中で想像してみましょう。同じ親から生まれた兄弟が集団で暮らしていたのでしょうか?親が世話をしていたのでしょうか?
残念ですが、この標本について私は知りません。でも、頭骨を除けば非常によく保存されている標本ですね。会場で、この標本の秘密が明かされるのでしょう。