2011年
12月
30日
金
Rauhut, Oliver W. M. (2011).
"Theropod dinosaurs from the Late Jurassic of Tendaguru (Tanzania)"
Special Papers in Palaeontology 86: 195-239. doi:10.1111/j.1475-4983.2011.01084.x
Veterupristisaurus milneri という、カルカロドントサウルス科恐竜がこの中で記載されています。
上記論文は、まだネット上でダウンロードできないようです。
ウィキペディアによると、属名は”vetus”ラテン語でoldの意。"pristis"は巨大な海の怪物。よって属名は"old shark lizard"の意味。種小名は古生物学者Angela C. Milner に献名。
完模式標本MBR1938は1個の中位尾椎骨で、ほかに同一個体の中位尾椎とされる標本もあります。年代は約1億5千4百万-1億5千万年前とみられています。
カルカロドントサウルス科の中で、 Acrocanthosaurus に近縁だそうです。
推定体長は8.5から10mとされています。
2010年
9月
09日
木
背のこぶは目立つかもしれませんが、もう一つのこぶも大変重要な発見です。
スペイン中部クエンカ(Cuenca)ラスオヤス(Las
Hoyas)の下部白亜紀統(バレーム階)の化石産地から発見された、殆ど完全な関節した骨格に基づき、背にこぶのある原始的な カルカロドントサウルス類恐竜を記載しています
Concavenator corcovatus 新属新種
属名はConca(ラテン語)クエンカ県名から+venator(ラテン語)ハンター
種小名はcorcovatus (ラテン語)仙前堆の伸長によるこぶ状構造を指す。
こぶのあるクエンカのハンター
産地と層準
下部白亜系( Upper Barremian ) Calizas de La Huérguina 層 約1億3千万年前
スペイン、クエンカ県、La Cierva 地域
特徴
体長約4m、中型の獣脚類恐竜です。その特徴の1つは、2個の仙前椎の神経棘が伸長して形成した尖ったこぶのような構造があること。もう1つは、尺骨上に一連の小さな隆起があることです。こうした小さな隆起は、現生鳥類の一部にみられる羽柄の付着する飛羽瘤(quill knob)と相同のものと考えられ、この飛羽瘤は、飛羽(風切羽)の根元を前肢に固定させる毛包靭帯構造(follicular
ligament)の挿入領域と結びついているとしています。
記載により
カルカロドントサウルス類は主にゴンドワナ大陸に分布していた大型獣脚類群に限定されていましたが、その初期の仲間はローラシア大陸にも分布していたことが、この記載などにより明らかになってきています。
尺骨の一連の隆起により、羽毛恐竜の起源が新テタヌラ類まで遡ることになります。これまで羽毛恐竜の系統は、獣脚類のうち、コエルロサウリア類の系統にのみ認められてきました。今回の発見によりアロサウルス上科→カルカロドントサウリア類の系統にも羽毛があったことがわかり、両系統が分岐する新テタヌラ類、年代的には中期ジュラ紀まで羽毛恐竜の起源が遡ることになるそうです。
ネイチャーニュース 毎日新聞 ナショナルジオグラフィック(日)
Francisco Ortega, Fernando Escaso& Jose L. Sanz
A bizarre, humped Carcharodontosauria (Theropoda) from the Lower
Cretaceous of Spain
Nature Volume: 467 , Pages: 203?206 DOI: doi:10.1038/nature09181